売れないのは、技術が足りないからではありません。
「価値を置く場所」がズレているだけです。
ちゃんと学んできた。
手も抜いていない。
むしろ、同業より丁寧だと思っている。
それでも売れないとしたら、
問題は努力量でも、能力でもありません。
この記事で扱うこと
- なぜ、技術があっても売れないのか
- 多くの人が無意識にやっているズレ
- 現場でよくある具体的な状況
- どこを整えれば、流れが変わるのか
多くの人が勘違いしていること
売れないとき、多くの人はこう考えます。
「もっと技術を磨けばいい」
「勉強が足りないのかもしれない」
この考え方自体は、誠実です。
でも、売れない原因はそこにありません。
なぜなら、
顧客は技術そのものを買っていないからです。
顧客が見ているのは
- 技術の高さ ではなく
- 技術によって 自分がどう変わるか
つまり、
価値の主語が「自分」ではなく「相手」になっているか。
ここがズレると、売れません。
よくある現場の話
たとえば、こんなケースです。
ある技術者は、
仕上がりも良く、経験もあり、仕事も丁寧です。
打ち合わせでは、こう説明します。
- 「この工法は耐久性が高いです」
- 「この素材は長持ちします」
- 「工程を省かず、手間をかけています」
どれも事実です。
でも、お客さんの反応は薄い。
最後は決まって、
「で、いくらですか?」
「他とも比べてみます」
なぜか。
お客さんの頭の中に、
「それで、自分はどう良くなるのか」
が浮かんでいないからです。
誠実な人ほど、ここで苦しくなる
この状況、正直きついと思います。
ちゃんとやっているのに、
価格でしか見られない。
安くしないと選ばれない。
ときには、
「手を抜いている人の方がうまくいっている」
ように見えることもある。
でも、ここで自分を疑う必要はありません。
誠実な人ほど、
自分の価値を主張することに抵抗があるからです。
ここで一度、整理してみてください
《自己診断チェック》
もし、次の項目に 2つ以上 当てはまるなら、
あなたがつまずいているのは「技術」ではなく、
価値が相手に届いていないことなのかもしれません。
- □ 技術や品質の話をしても、反応が薄い
- □ 最終的に「で、いくらですか?」で話が終わる
- □ 他社や他人と比較されることが多い
- □ 「良いとは思うんですが…」で決まらない
- □ 安くすれば売れそうだと感じてしまう
これは、価値がないからではありません。
価値が、相手の判断基準に合っていないだけです。
では、どこを整えればいいのか
売れない状態から抜けるために、
見直すべきポイントは多くありません。
重要なのは、次の3つです。
1. 技術をウリにしていないか
→ 顧客の変化をウリにできているか
よくある例
- 「この工法は耐久性が高いです」
- 「この素材は長持ちします」
- 「手間をかけて丁寧に仕上げています」
これらは正しい説明ですが、
顧客の頭にはこう残ります。
「それで、私はどう変わるのか?」
ウリが変わると、伝わり方も変わります。
- 「メンテナンスの手間が減ります」
- 「将来の不安が減ります」
- 「毎日のストレスが少なくなります」
技術を語っているか、変化を語っているか。
ここが最初の分かれ目です。
2. 価格で比較される位置に立っていないか
→ 判断される前段があるか
よくある例
- 初回の説明で、いきなり金額の話になる
- 見積書だけを渡して判断を任せる
- 違いを聞かれてから説明を始める
この状態では、
顧客に残る判断材料は
金額と条件だけです。
結果として、
「じゃあ安い方で」
という判断が起きやすくなります。
一方で、判断の前段がある場合は、
- なぜその方法が必要なのか
- 何を優先すべきなのか
- 安さを選んだ場合に起きること
こうした前提の共有が先にあります。
価格は、
最後に出てくる「結果」になります。
3. いきなり売ろうとしていないか
→ 理解してもらう順番があるか
よくある例
- 初回から商品説明に入る
- サービス内容を一気に話す
- 「うちに任せてください」で終わる
売る側としては親切なつもりでも、
顧客側はこう感じがちです。
「結局、何が問題なの?」
理解が追いついていない状態では、
人は決断できません。
本来の順番はこうです。
- いま何が起きているのか
- なぜそれが問題なのか
- どういう選択肢があるのか
- なぜこの方法なのか
売るのは最後です。
小さなまとめ
売れないのは、
価値がないからではありません。
- 何を相手に話しているか
- どの位置で判断されているか
- どの順番で伝えているか
このどれかが少しズレているだけで、
「売れない」という結果が生まれます。
次の一手
すぐに商品を変える必要はありません。
売り方を変える前に、
考え方の置きどころを整理するだけで十分です。
もし、
「自分は何を価値として差し出しているのか」
一度、見える形にしたいと感じたら、
状況を整理するための
シンプルなワークシートを用意しています。
結論を出すためのものではありません。
判断できる状態に戻るための道具です。
コメントを残す